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世界のダム 全項目表  [19]

Sanxia[三峡ダム、Three Gorges ]
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 1993年1月1日に着工、2003年6月1日に湛水開始、6月24日には最初の2号発電機の試験送電を実施、2006年5月には堤体本体がほぼ完成。当初計画で2009年に全面完成予定。工事は3期に分かれ、2003年から第三期工事(2003〜当初計画2009年)が実施されていた。
 ダムの貯水を使用して世界最大出力の水力発電所が建設された。左岸発電所と右岸発電所に26基の発電機が建設されていたが、2008年10月には26基目の発電機が正式稼働、さらに2012年7月、三峡地下発電所の6基の発電機も稼働し、これで計画の発電機すべてが稼働、総発電容量は2250万キロワットとなった。
 ダムの流域面積は100万km2。年間流出量は、4510億m3で、これは日本全土の河川流出量に相当するほどの大きさ。完成時には貯水域の長さは東京・神戸間の距離に匹敵する600kmにも及ぶ。
 ダムの主な目的は、洪水防除、発電、航路の確保。総貯水容量393億m3、洪水調節容量221億5000万m3。世界最大の水力発電といわれ、発電設備容量は 1,820万kw。年間発電量は847億kw時に上り、中国の発電所で主力の石炭の消費量を年間4千万−5千万トン節減し、二酸化硫黄排出量も2百万トン減らすことになるという。
 ダム建設で長江は姿を変えつつある。三国志の英雄劉備が没した白帝城は、孤島に。水底に沈んだ旧市街を見下ろす高台には、新築の建物が軒を連ねる。1万トン級の船舶が上流の重慶まで往来できるようになり、支流の奥深くまで観光ができるようにもなった。
テーマページ 文献にみる補償の精神【44】 「ああ、光栄の三峡大ダムは、われわれの犠牲によったのだ」 (三峡ダム・中国)
三峡ダムはなぜ実現するのか?
ダムの書誌あれこれ(7) 〜三峡ダムを考える〜
国/河川 China[中国]/  
完成年 2009
ダムタイプ重力式コンクリート
機能F,H,N,I
堤高/堤頂長/堤体積185m/2309m/16000千m3
貯水池容量39300百万m3
発電容量22500MW
ダム所有者China Changjiang Three Georges Dev
リンク Structural Engineering Water Resources Engineering, Dams

【注】
データは、「WORLD REGISTER OF DAMS 2003」を基礎として、「Water Power & Dam Construction Yearbook 2003」、これら書物の新しい年版、雑誌の記事、ネット上の情報などを元に修正・補充して作成したものですが、資料によって情報内容が異なることがしばしばあり、正確性には限界があります。なお、ダムタイプについては、日本の型式分類の概念と必ずしも一致しない点がありますので、注意が必要です。

機能の略号は次の通り。
  C : Compensation
  F : Flood/River controll
  G : GroundWater recharge
  H : Hydro power
  I : Irrigation
  M : Multi-puroose
  N : Navigation
  O : Other
  P : Pollution controll
  R : Recreation
  T : Transfer
  TA : Tailings
  W : Water supply