ダム事典[用語・解説](ページ:11)
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ダム (だむ) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ダムカード (だむかーど) |
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国土交通省や水資源機構の管理中ダムで2007年7月より発行が開始された、写真とそのダム固有の情報を紹介したカード。 大きさは63×88ミリ、紙製でオモテ面はダムの写真とダム型式記号・ダム目的記号など、裏面は所在地・河川名・ダム型式・ゲート種類・堤高・堤頂長・総貯水容量・管理者名・本体着工年完成年・その他ランダム情報とこだわり技術情報が記載されています。 そのダムに行かなければもらうことができず、当初は物珍しさや希少性もあって、ダムカードを積極的に収集する人もいて、人気になりました。その後、2種類以上のカードを配布しているダムがでてきたり、建設中のダムでも発行するものが出てきたりと、広がりを見せているようです。 |
ダム群連携事業 (だむぐんれんけいじぎょう) |
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既設の複数のダムを水路で連結して一体的に運用することにより水の有効活用を図り、効率的なダムの運用を行おうとする事業で、国土交通省が進めています。ダム上流の流域面積が小さくダムへの流入量が小さいが、貯水容量が大きいダムと、逆に、ダム上流の流域面積が大きくダムへの流入量が大きいが、貯水容量が小さいダムがあった場合、双方を水路で連結して水を融通することによって、従来貯水容量の小さいダムから無効に放流されていた水を貯水容量の大きいダムに貯留することによって、水の有効活用ができます。 平成15年2月現在、鬼怒川上流ダム群連携、筑後川ダム群連携、綾川ダム群連携の3事業が実施されています。 |
ダム計画上の水位と容量 (だむけいかくじょうのすいいとようりょう) |
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ダム計画上、貯水池の水位として次のようなものがあり、一般に、最低水位、常時満水位、サーチャージ水位、設計洪水位の順に水位は高くなります。 ■最低水位(LWL) 貯水池の運用計画上の最低の水位。ダムの堆砂容量が水平に堆砂したときの堆砂上面とするのが一般的で、この場合堆砂位ともいいます。発電用のダムなどでは、堆砂容量のほかに死水容量をもつものがあり、このような場合は両方を貯めた場合の上面。通常これよりも下には取水口がなく、貯留水は利用できません。 ■常時満水位(平常時最高貯水位)(NWL) ダムの目的の一つである利水目的(水道、かんがい、工業用水など)に使用するために、貯水池に貯めることが出来る最高水位。貯水池の水位は、渇水と洪水の時期以外は常時この水位に保たれます。 ■サーチャージ水位(洪水時最高水位)(SWL) 洪水時、一時的に貯水池に貯めることが出来る最高の水位。 ■設計洪水位(DWL) 想定される最大の洪水(200年に一回程度)が発生した時の流量を設計洪水流量といい、そのときの貯水池の水位を設計洪水位といいます。この時、ゲートは全開されています。自然現象として予想される最高の水位と考えられます。 これらの水位と連動して次のような貯水池の容量が定められます。 ■総貯水容量 堆砂容量、死水容量、利水容量、洪水調節容量を全部合計したもの。 ■有効貯水容量 ダムの総貯水容量から堆砂容量と死水容量を除いた容量。 ■洪水調節容量 常時満水位からサーチャージ水位までの容量。 ■利水容量 最低水位から常時満水位までの容量。利水容量は利水目的に応じて利水目的毎の容量に分割されます。 ■死水容量 通常設定されることは少ないですが、一定の水位の確保を目的として、発電計画上の必要性がある場合、取水・放流施設設置上必要がある場合などに設定されます。その場合の堆砂容量上面と最低水位との間の容量。 ■堆砂容量 一定期間(一般には100年間)にダム貯水池に堆積すると予想される流入土砂を貯える容量。100年たてばこの堆砂容量は土砂で埋まるものと想定されますが、洪水調節容量や利水容量はそのとき埋まってはいません。 |
ダム建設調整費制度 (だむけんせつちょうせいひせいど) |
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水資源機構の制度の一つで、ダム建設の円滑な進捗を確保するため、本体工事の施工中に事業資金に充てるため水資源機構が民間借入金を調達する制度です。昭和60年度に創設されました。 |
ダム工学会 (だむこうがくかい) |
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より良い、ダムの設計・施工・管理のあり方を探るために活動している団体です。ダム工学は、多くの学問から成り立っている総合工学ですので、学・官・民などの各分野から多くのダム技術者が参加しています。 |
ダム工事の儀式 (だむこうじのぎしき) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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大規模なダムの建設は、工事期間が長期に渡り、また関係者の数も多く、地域にとっても大きな出来事なので、工事中節目節目に様々な儀式が行われることがあります。工事関係者はもちろん、地元自治体関係者、地元の人々、小中学生なども参加して、地域ぐるみの行事として行われることもあります。代表的なものは次の通りです。 ・起工式
・転流式
・初打設式または初盛立式
・定礎式
・打設または盛立完了式
・湛水式
・竣工式
(→知識を深める:大志田ダムの定礎式)(→知識を深める:竣工式ってどんなもの〜宮ヶ瀬ダム) |
ダムコンクリート (だむこんくりーと) |
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コンクリートダムの本体に用いられるコンクリート。普通の工事現場で使うコンクリートとは骨材の大きさ、セメントの種類などが違います。ダム用コンクリートとも言うようです。 |
ダムサイト (だむさいと) |
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ダムが造られる場所(サイト)です。 |
ダム軸 (だむじく) |
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河川を横断する構造物であるダムの位置を示すダム構造設計上の基本線。重力式コンクリートダムではダム天端上流端を連ねた線です。アーチダムやフィルダムでは、堤頂の中心を連ねた線です。 |
「ダム」という言葉 (だむということば) |
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ダムとは、河川などの水を堰き止めて、水を貯めたり、水位を上げたりするために建設される構造物のことです。例えば、広辞苑は、ダムとは「発電・利水・治水・保全などの目的で河海の水をためるために河川・渓谷などを横切って築いた工作物とその付帯構造物の総称」としています。なお、古くは「堰堤」と呼ばれていたようで、広辞苑にも堰堤はダムである旨の記述があります。 一方、類似の施設として堰があります。ダムは高さが高く、堰はダムほどの高さはなく、横に長いといった感じがしますが、大規模な堰を想定すると両者の区別は必ずしも明確ではないように思われます。 なお、日本語の「ダム」は、英語の Dam を、その発音をカタカナで日本語表記にしたものですが、英語のDamという言葉は、必ずしも高さの高いものだけを指すのではなく、高さの低い、日本では通常堰と呼ばれているようなものも含んでいるようです。 また、国際的には、「大ダム」(large dam)という言葉が使われることがあるようで、例えば、国際大ダム会議(International Commission on Large Dams、1928年創立、世界85カ国参加)という国際的な組織があり、そこでは世界のダムをダム台帳に登録していますが、登録対象ダムは高さが15m以上と、高さが5m以上で貯水容量が300万m3以上のものになっています。 |
ダム日本 (だむにっぽん) |
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→月刊ダム日本 |
ダム年鑑 (だむねんかん) |
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(財)日本ダム協会が刊行しているダムに関する年鑑。建設・計画中を含め全国の約2800のダムについて、協会が独自に調査を実施して諸元、建設参加業者などの詳細な情報を掲載しており、この分野では唯一のものとなっています。「ダム便覧」にあるダムの諸元は、ダム年鑑の元になっているデータによっています。 |
ダムのグランドデザイン (だむのぐらんどでざいん) |
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ダムをある統一的な考え方の下に調和のとれた景観を持つものとするための手法。近年このような考えが出てきて、事例も少なく、言葉の使われ方も一定していないように思われます。ダム堤体のみならず、ダム湖とその周辺を含めたダム空間を考え、そこを対象にすることも多い。 地域社会、歴史文化、周辺環境などを考慮して、一定の基本コンセプトを設定し、その下で、ダム、諸設備、構造物、公共施設などを統一的にデザインし、全体として調和のとれた、特色ある景観を創出しようとするといった傾向が見られます。その考え方の基礎には、従来の個別施設ごとの景観設計への反省や、ダム事業が広範にわたり物的環境を改変することへの配慮などとともに、将来に渡って地域社会の活性化や文化の創造に貢献したいという発想があるようにも思われます。 |